NEM(ネム)は2015年3月に公開された比較的新しい仮想通貨です。

開発に日本人が関わっていることもあって日本でも注目を集めていますね。

そんなNEMの特徴をビットコインとの違いを比較しながら見ていきましょう。

Factomの将来性などについてはこちらの記事で紹介しています。

仮想通貨NEM XEMの特徴

NEMの通貨単位はXEM、発行上限は8,999,999,999XEMです。
 

ただこの8,999,999,999XEMは最初に1500人に配分されているため、新たにマイニング(発掘)して通貨を手に入れることはできません。

この「マイニングが無い」のはビットコインや他のアルトコインと比べてみても大きな違いでしょう。

ではNEMではどのようにして取引の承認による報酬を受け取るのでしょうか?

ユーザーは取引を認証してもらうため利用手数料を支払うわけですが、この手数料が取引を認証したユーザーに振り分けられることになります。

これを「ハーベスティング(収穫)」と呼び、10,000XEN以上保有していれば誰でも受け取る権利が生じます。
 

2017年2月7日現在の相場が0.76255079円なので10,000XENは7625円ほどとなりますね。

しかし10,000XEN以上保有していれば常に報酬を受け取れるわけではありません。

これが大きな特徴、NEMでは「Proof of Importance(プルーフ・オブ・インポータンス)」と呼ばれるアルゴリズムを採用しています(以下「PoI」)。

PoIには「重要度」という概念があり、これが高いほど報酬を受け取れる可能性が高まります。

この重要度は残高・取引回数・取引量・取引相手・信用などを総合的に分析した上で決定される仕組みです。

このPoI方式の導入は「お金持ちほどよりお金持ちになる」不公平を解消するとして大いに注目を浴びているのですが、その理由を見ていきましょう。

仮想通貨NEMはプルーフオブインポータンス

例えばビットコインでは「Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)」と呼ばれる形式が採用されています(以後「PoW」)。

これは仕事量による認証、計算能力が高いパソコンに対して認証作業を多く割り当てる仕組みです。

この仕組みによって暗号通貨を偽造するには計算能力の高いパソコンを上回る性能のパソコンを用意せねばならず、偽造は非常に難しくなります。

これによって不正は防がれますが計算能力の高い(=高価な)パソコンを持っている人ほどたくさんの報酬が受け取れるようになるという問題が発生します。

更に計算能力の高いパソコンは電力消費も激しいので環境破壊にも繋がると言われています。

PoWの問題を解決するため新たに開発されたのが「Proof of Stake(プルーフ・オブ・ステーク)」、通貨保有量による認証です。(以下「PoS」)

通貨をたくさん保有している人ほど権限が強いのが特徴ですが、裏を返せば「通貨をたくさん保有している人ほど報酬をたくさん貰える」という問題が生じました。

つまりPoS方式では早くから参入して多くの通貨を確保して保有し続けているほど有利となってしまいます。

加えて通貨を使えば保有量が減って権限も弱まりますから多くの人が長期間保有するようになり取引が活発にならない問題もあります。

対してPoIでは保有量だけでなく取引活動や取引の質(=特定のユーザー同士で通貨を往復させることで回数の水増しをしていないなど)も評価されますからPoSの問題を克服していると言えるでしょう。

PoW・PoS両者の問題を解決し、公平に富を分配する暗号通貨としてNEMは大いに注目を集めているのです。

さて先ほど重要度の説明で「信用」という単語が出てきたのを覚えているでしょうか。

NEMの2つ目の特徴、それはセキュリティにEigenTrust++評価システムを導入していることです。

簡単に言うとブロックチェーン上でユーザーの評価を行い、評価が低いユーザーは「信用が低い」と評価します。

信用は重要度にも影響しますから信用が低いとハーベスティング(収穫)による報酬も低くなるわけです。

更には「悪意がある」と評価されたユーザーをネットワークから切り離すこともできます。

これによって悪質なユーザーを排除しセキュリティの向上につなげているのです。

NEMとビットコインとの違いを比較

NEMの3つ目の特徴、それはユーザー独自の通貨を発行できることです。

ユーザーは独自のNamespace(ネームスペース)を取得することでmosaic (モザイク)と呼ばれるトークンを発行することができます。

ネームスペースとはドメインのようなもので独自の名前をつけることができますが、ネットワーク上で既に使用されている名前は使用できません。

ネームスペースを取得するとその中で利用できるモザイクの名前や発行量などを設定できるようになります。

ネームスペースとモザイクの関係についてはTカードやnanacoなどをイメージすると理解しやすいかも知れません。

「Tカード」「nanaco」といったネームスペースがあって、カードを利用することで使えるポイントがモザイク…といった感じですね。

最後にブロックチェーンを利用した最大160文字のメッセージを送れるのもNEMの特徴です。

取引内容をメッセージに残しておくことで後々役に立つ…なんて使い方ができるかもしれませんね。

最後にもう一度NEMの大きな特徴をまとめるとこのようになります。

・PoI方式

・EigenTrust++評価システム

・Namespaceとmosaic

斬新な取り組みが評価され日本でも大いに注目されているNEM、その発展から目が離せません!
 
 
Factomの将来性などについてはこちらの記事で紹介しています。





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