ビットコインを始めとする暗号通貨の話になるとよく出てくる例え話として、ビザンチン将軍問題というものがあります。
一般的には聞きなれない言葉ですので、今回はビザンチン将軍問題についてわかりやすく解説していきたいと思います。
ビザンチン将軍問題とは?
ビザンチン将軍問題。。。
文字だけを見ると世界史上の話か何かと思ってしまいますが、ビットコインの技術であるブロックチェーンが問題解決に大活躍します。
インターネット上の取引において問題となってくるのが、情報の信頼性です。
この情報の信頼性の問題について、例えを用いてわかりやすく説明したものが東ローマ帝国(ビザンチン帝国)を例に挙げた『ビザンチン将軍問題』なのです。
ビザンチン将軍問題の全体像を紹介します。
- ローマ帝国(ビザンチン帝国)の将軍たち数名がある都市を攻撃しようと企て、それぞれの軍隊を率いて都市を包囲します。
- 数部隊のみでの攻撃では失敗に終わってしまうため、攻撃を開始するか、一度撤退し作戦を練り直すか判断をしなければなりません。
- 部隊はそれぞれ離れた場所に待機していますが、現代ではないためもちろん相談は伝達兵を通して行うことになります。
- それぞれ仲間うちであれば全員で一つの意見に統一することが可能ですが、もし将軍の中に裏切り者がいた場合一人の将軍には攻撃をその他の将軍には撤退を伝えることでこの作戦を台無しにしてしまうことができます。
このような情報の伝達の問題や仲間内での信頼のおける決定問題を現代の取引に置き換えて説明したものが『ビザンチン将軍問題』なのです。
このビザンチン将軍問題を解決するためには、全体での判断が正しいものだったかを見分け、信頼できる判断であることを全体で認識しなければなりません。
また、インターネット上では、不特定多数の人間が取引を行っており、その中には詐欺を行うなど悪意を持った人間もいます。
実際に全員と顔を見合わせているわけでもないので、信頼できる人かどうか判断の持ちようがないですよね。
ビットコインは個人情報を提示しなくても使用できるため、悪意を持って利用する人も出て来る可能性があります。
この問題を解決へと導くのが、ビットコインのために作られた『ブロックチェーン』の技術というわけです。
それでは、この『ビザンチン将軍問題』について実際にビットコインを例にブロックチェーンとその解決方法について解説します。
ビザンチン問題とビットコインの証明(ブロックチェーン)の関係は?
それでは、実際にこのビザンチン将軍問題とブロックチェーンにはどんな関係があるのか、解決の可能性があるのかを説明していきましょう。
ブロックチェーンの仕組みにより、取引上の不正を防ぐことができます。
これは『ビザンチン将軍問題』の登場人物や状況に当てはめることができます。
例えば、
- 将軍を取引の参加者、そして取引の承認者に
- 攻撃するか撤退するかの判断を新しいブロックを追加する権利
として考えてみましょう。
ビットコインを用いた場合ブロックチェーンでは、実際に取引が正しいかどうかをパソコンの計算能力が高く処理が早いものを取引の正当性を認める承認者として認め、報酬が支払われます。
そして、取引の履歴や記録はブロックからブロックへ情報をつなぐことで改ざんを防いでいます。
計算が一番早かったA将軍一人を承認者として認め、攻撃と撤退の決定を行う権利(取引を記録として承認する権利)を与えます。
この計算が正しかったかどうかは全ての将軍が確認し、不正を行ったかを確認することができます。
その結果、A将軍が不正を行っていないか、そしてこの判断について全体の合意があるかどうかを共有し確認を取ることができるということです。
このように『ビザンチン将軍問題』は、ブロックチェーン技術の優位性を示すために、よく例えとして使用されます。
不正の防御策として、ブロックチェーンの台帳システム、プルーフオブワークがあり、そして正しい取引を行いたいと考える人の存在によって秩序が保たれているというわけです。
以上、今回は
について紹介しました。
最後までお読み頂いてありがとうございました。