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マウントゴックス破綻事件の概要
マウントゴックス(Mt.Gox)とは東京に存在したビットコイン取引所です。
↓マウントゴックス破綻事件の被害者と入居していたビル
2014年2月7日にビットコインのすべての取引を停止し、その後、2月28日に民事再生の申請がされました。
同じ年の4月24日には破産手続きが開始されました。文字通り破綻したわけです。
マウントゴックスの破綻事件は3つの点で大きな話題を呼びました。
第一は、ビットコインという得体の知れないものが関わっていたこと。
第二に、当時のマウントゴックス社長(CEO)の説明によれば、そのビットコインがいつの間にか消えていた、つまり盗まれていたという不可解さ。
そして第三は、その金額の大きさです。
マウントゴックス破綻事件の要素はたくさんありますが、マウントゴックス破綻事件の概要として押さえておくべき点はこの3つの点です。
以下、順番にもう少し細かくみてみましょう。
マウントゴックス破綻事件(1):ビットコインは得体の知れないもの?
現在でもそういう見方をする人がいますが、マスコミの風潮はビットコインが何か怪しいもので、それが事件を引き起こした原因であるかのように報じました。
マウントゴックスが破綻したのではなく「ビットコインといういかがわしいもの」が必然的に破綻したという捉え方をした人が多かったのです。
これは全く間違っているのですが、ビットコインのさまざまな特徴が、得体の知れない詐欺のように捉えられたのです。
マウントゴックス破綻事件(2):消えたビットコインのミステリー
第二の点はビットコインの不可思議さに加え、マウントゴックス社長(CEO)がフランス人
で、よくわからない人物だったことも関係していました。
↓マウントゴックス社長マルクカルプレス
よくわからない人物が扱っているよくわからないものがいつの間にか消えたというミステリーです。
マウントゴックス破綻事件(3):被害金額は巨額!
被害額は85万ビットコイン(BTC)と現金28億円です。
85万BTCの価値は当時のレートで470億円でした。
2017年現在のレートでは1BTCが10万円を超えていますので軽く兆は超える金額になります。
↓この事件の被害者は世界中にいます。
マウントゴックス破綻事件の真相まとめ!
実はマウントゴックス破綻事件の真相は、当時考えられていた様相とは全く異なります。
上の3つの点に合わせて真相を見ていきましょう。
マウントゴックス破綻事件の真相(1):ビットコインは無実だった!
まず、マウントゴックス破綻事件はビットコインの特質とはほとんど関係ない事件だったのです。
マウントゴックスは、フランス人社長(CEO)マルク・カルプレスが全権を握っていました。
会社資産も顧客預り金も、極端に言えばどんぶり勘定的な扱いをされていました。
その残高はビットコインのシステムとは関係ない、帳簿システム上の金額の書き換えでなされていたわけです。
また、マウントゴックスが取引を過剰に行って、ビットコインのレートを吊り上げていたという疑惑もあります。
こうしたシステムはセキュリティも甘く、監視の目も行き届きにくかったと言えます。
また、マルク・カルプレス本人もモラル的には問題のある人物のようです。
こうして、マルク・カルプレスによる横領(事件後逮捕されました)とシステムの脆弱さが事件の真相だったのです。
マウントゴックス破綻事件の真相(2):ビットコインは消えていなかった!
実はビットコインだからいつの間にか消えていたわけではありませんでした。
ビットコインがマウントゴックスからなくなったのは、マウントゴックスのいい加減なシステムと過剰な取引に原因がありました。
また、そもそもマルク・カルプレス本人が横領をしていた(どのくらいの割合なのかは不明)のですから、いつの間にか消えていたのではありません。
マウントゴックス破綻事件の真相(3):巨額な被害額の正体!
被害額が兆は超える金額の割に、その後はあまり騒がれていません。
これは日本人の口座数が千程度と少なく、顧客のほとんどが外国人であったことがひとつの理由です。
そして、ほとんど含み資産だったことが大きいでしょう。つまり、顧客の多くは安いコストでビットコインを入手し、ビットコインの値上がりで巨額の資産になっていたということです。
逮捕されたマウントゴックス社長の経歴は?
マウントゴックス事件の真相が明らかになった2015年に、マルク・カルプレス社長(CEO)は、警視庁に業務上横領等の容疑で逮捕され起訴されました。
このマウントゴックスの社長はどういう経歴の持ち主でしょう。
マルク・カルプレスは、1985年6月1日にフランスのディジョン近郊で生まれました。
ディジョンはスイスとの国境にも近い都市です。
母親が地質学者で、そのため、幼いころからコンピュータにはなじんでいたようです。
二十歳になる以前からIT企業で働き始め、一時期、イスラエルにも住んでいました。
日本のアニメやマンガも好きで、2007年には日本を訪れ、2009年から日本に在住しています。
2011年にティバン社を設立し、これを介してマウントゴックスを手中に収めました。(ティバンは飼い猫の名前です)
実は、マウントゴックスは、アメリカ人ジェド・マケーレブがトレーディングカードの交換所として設立した会社です。
ジェド・マケーレブは、2010年からビットコイン取引を始めたのですが、すぐにマルク・カルプレスのティバン社に会社ごと売ってしまったのです。
マウントゴックスは、2013年には世界のビットコイン取引の7割を占めるまでになります。
これは東京という便利な土地にあったこともありますが(ビットコイン取引所は他にもありますが、当時は東欧等にしかありませんでした)、マルク・カルプレスの手腕にもよるのでしょう。
なお、ジェド・マケーレブは、マウントゴックスのシステムにはセキュリティ上の問題があり、自分には手に余るとしてマルク・カルプレスに事業を譲ったという説があります。
しかし、ジェド・マケーレブ自身も天才プログラマーです。
事業を譲った後に、やはり暗号通貨であるリップルやステラの創業に関わっているので、本当に自分では無理だと思って譲ったのかはやや疑問です。
ともかく、マウントゴックスはマルク・カルプレスの下で事業を拡大しました。
その過程で、大丈夫なのか、という噂はあったようです。
しかし、マウントゴックスは便利なことから顧客の目立った減少もありませんでした。
そして、マウントゴックスはついに破綻しました。
マルク・カルプレスは当初、被害者だと主張していましたが、結局、逮捕・起訴され、現在は保釈されています。
暗号通貨は簡単に素早く送金ができるため、このマウントゴックスの事件のように巨額のお金がいとも簡単に移動してしまいます。
そのことを利用した詐欺やハッキングなども今後も起きてくるでしょう。
暗号通貨が広まること可能性が高いですが、知識不足の人が使用する場合は本当に大変な目にあってしまう可能性があります。
自分のお金、家族のお金を守るためにも、早いうちから暗号通貨に関して学んでおくようにしてください。
以上、今回は
について紹介しました。
最後までお読み頂いてありがとうございました。