2016年5月に暗号通貨に関する法案が可決されました。
通称「仮想通貨規制法」ですが、実際にはどんな法律なのでしょうか?
できるだけわかりやすく、簡単に理解できるよう説明していきます。
そもそも「仮想通貨規制法」という法律が新しくできたのではありません。
正式には「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」として可決しました。
この法案の中に含まれていた「資金決済に関する法律」に新たに「第三章の二 仮想通貨」が追加されたのです。
これによって仮想通貨は「支払い手段の一つ」と認められるようになりました。
言葉を変えると「仮想”通貨”だけどお金としては認めないよ」と言うことです。
さて続いてはどんな法律なのか…の前に仮想通貨のリスクから見ていきましょう。
「仮想通貨が普及するとこんな危険が考えられる」
↓
「だから法律を定めなきゃならない」
という形で見ていくと簡単です。
悪質な業者が善良な市民からお金をだまし取るかもしれない
仮想通貨はまだまだ知名度が低く、存在を知らない人もまだまだたくさんいます。
となると当然出てくるのが、「必ず儲かりますよ」などと無知につけ込んで仮想通貨を購入させようとする人たちです。
そこで仮想通貨規制法では政府の認可を受けた業者しか仮想通貨の交換できないようにしました。
審査は金融庁が行い、正式に認められた業者の名前や情報は一覧で公開されます。
更に登録された後も毎年、会計や業績について監査を受けて書類を提出しなくてはなりません。
登録制にすることで悪質な業者もどきを一掃し国民の利益を守るのが仮想通貨規制法の狙いです。
登録業者が不正によって顧客に損失を与えるかもしれない
2014年のマウントゴックス倒産は一大ニュースでしたが、その原因は社長の横領でした。
顧客の資金を不正に引き出したその穴を架空の資産で埋めていたのです。
そしてこのような不正が許された大きな理由は、この事件が起こるまで仮想通貨に関する法律が存在しなかったことです。
そこで業者の監視も目的の一つとして仮想通貨規制法が制定されました。
業者は認可を受けた後も定期的に監査を受けなくてはなりません。
ここでもし怪しい動きがあれば金融庁が直々に調査することになります。
ここで不正が発覚すれば業務指導命令が、より悪質だと判断されれば登録取り消しもあり得ます。
このように悪質な業者は容赦なく締め付けていくことで利用者の利益を守るのが仮想通貨規制法です。
そしてもう一つ、マウントゴックスの倒産で損失を受けた顧客は一切の補償が受けられませんでした。
そこで仮想通貨規制法では業者は利用者の財産を確保することを義務付けています。
万一のことがあれば債務を履行した上で倒産あるいは登録解除されなければならないと定められました。
これによって誰もが安心して仮想通貨を利用できるようになったのです。
テロの資金やマネーロンダリングに利用されるかもしれない
仮想通貨は文字通り形がないお金、持ち運ばなくてもインターネットさえあれば出し入れできます。
どこの国もテロリスト集団にお金が流れないよう監視していますが、形が無いお金となると簡単には見つかりません。
また、インターネット内に隠せるとなれば取り締まる側も簡単にはいきません。
仮想通貨が不正や違法なやりとりに利用されることを防がなくては、ということで仮想通貨規制法が必要になりました。
業者は毎年監査を受けなくてはなりませんから怪しいお金の流れがあればチェックが入ります。
このように仮想通貨が悪用されるのを防ぐのも仮想通貨規制法の目的です。
仮想通貨規制法は「利用者の利益を守り、犯罪に利用されるのを防ぐ」のが目的ということです。
今後も仮想通貨に関する法律が整い、誰もが安心して仮想通貨を使える未来が来ることを願います。
以上、今回は
について紹介しました。
最後までお読み頂いてありがとうございました。