ビットコインなどの暗号資産(一般には「仮想通貨」とも呼ばれます)を売って利益が出たとき、税金はどうなるのか。
この記事では、国税庁の資料をもとに、個人が暗号資産の取引で利益を得たときの税金の基本をまとめます(2026年10月16日確認)。
国税庁のFAQは、令和7年12月1日現在の法令・通達等に基づいて作られています。

暗号資産の譲渡に消費税はかかる?
暗号資産の譲渡(売却など)は、消費税が非課税です。
国税庁のタックスアンサーは、支払手段に類するものとして、資金決済法に規定する電子決済手段と暗号資産の譲渡も非課税になると明記しています。
国税庁のFAQも、国内の暗号資産交換業者を通じた暗号資産の譲渡には消費税は課されないとしています。
ただし、暗号資産交換業者に暗号資産の売買の仲介料として支払う手数料は、仲介という役務の提供の対価なので、消費税の課税対象です。
なお、平成29年6月以前に国内で行った暗号資産の譲渡は、消費税の課税対象とされています。
出典:国税庁 タックスアンサー No.6201 非課税となる取引、国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月)「6-1 暗号資産を譲渡した場合の消費税」(参考を含む)
所得税がかかるのはどんなとき?
暗号資産の取引で生じた利益は、所得税の課税対象です。
国税庁のFAQは、次のような場合に、譲渡した暗号資産の価額とその譲渡原価等との差額が所得金額になるとしています(差額がプラスなら所得が生じます)。
- 暗号資産を売却した(日本円に換金した)とき
- 暗号資産で商品を購入したとき(保有する暗号資産を譲渡したことになります)
- 暗号資産をほかの暗号資産と交換したとき(暗号資産で別の暗号資産を購入したことになります)
日本円に換えていなくても、商品の購入や暗号資産どうしの交換をしたときは所得の計算が必要になる点に注意が必要です。
出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月)「1-1 暗号資産を売却した場合」「1-2 暗号資産で商品を購入した場合」「1-3 暗号資産同士の交換を行った場合」
暗号資産の利益は原則として「雑所得」

国税庁のFAQは、暗号資産取引により生じた利益は、原則として雑所得(その他雑所得)に区分されるとしています。
ただし、その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合は、次の区分になります。
- 暗号資産取引に係る帳簿書類の保存がある場合:原則として事業所得
- 暗号資産取引に係る帳簿書類の保存がない場合:原則として雑所得(業務に係る雑所得)
帳簿書類の保存があっても、暗号資産取引に営利性が認められない場合などは、事業所得に当たるかどうかを個別に判断するとされています。
出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月)「2-2 暗号資産取引の所得区分」
50万円の特別控除がある「譲渡所得」にはならない
金地金やゴルフ会員権などの資産を売ったときの譲渡所得では、譲渡益から最高50万円の特別控除額を差し引いて計算します。
暗号資産の売却益は原則として雑所得に区分されるため、この譲渡所得の計算(50万円の特別控除)にはなりません。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1460 譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)、国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月)「2-2 暗号資産取引の所得区分」
雑所得の金額の計算と税率
暗号資産の売却による雑所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
必要経費になるのは、例えば次のような費用です。
- その暗号資産の譲渡原価
- 売却の際に支払った手数料
- インターネットやスマートフォン等の回線利用料、パソコン等の購入費用のうち、暗号資産の売却のために直接必要な支出と認められる部分
回線利用料は暗号資産取引に係る分を明確に区分できる場合に限られ、パソコンなど一定の資産は減価償却費として複数年に分けて必要経費にする必要があります。
出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月)「2-3 暗号資産の必要経費」
給与などと合わせて計算する「総合課税」
暗号資産の雑所得は、給与所得などほかの所得の金額と合計して所得税額を計算する総合課税の対象です。
所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から45%の7段階に分かれていて、所得が多いほど税率が高くなります。
所得税とあわせて、復興特別所得税も申告・納付します。
暗号資産の証拠金取引の所得も、FX(外国為替証拠金取引)のような申告分離課税の対象ではなく、総合課税で申告するとされています。
出典:国税庁 タックスアンサー No.2220 総合課税制度、国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率、国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月)「2-12 暗号資産の証拠金取引」
雑所得の損失はほかの所得と差し引きできない
暗号資産取引で損失が出ても、雑所得の金額の計算上生じた損失は、給与所得などほかの所得から差し引く(通算する)ことができません。
所得税法上、ほかの所得と通算できる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の金額の計算上生じた損失に限られるためです。
収入金額が300万円を超え帳簿書類の保存があるなどで事業所得に区分される場合は、この雑所得の扱いとは異なります。
出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月)「2-11 暗号資産取引で損失が生じた場合の取扱い」
会社員は確定申告が必要?「20万円」の考え方
給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる会社員などは、給与所得と退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円を超えると、確定申告が必要です。
この20万円は、暗号資産の利益だけでなく、ほかの副業などの所得も合わせた金額で判定します。
給与の年間収入金額が2,000万円を超える人など、ほかにも確定申告が必要になる条件があります。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
所得の計算には国税庁の計算書が使える
国税庁は、暗号資産に関する所得の計算に使える「暗号資産の計算書」(移動平均法用・総平均法用のExcelファイル)を公開しています。
暗号資産交換業者から送られる年間取引報告書を使って計算する場合は、総平均法用を使うよう案内されています。
出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和7年12月)」
税金の扱いは、取引の内容や本人の状況によって変わることがあります。
個別の判断に迷うときは、国税庁「税についての相談窓口」で税務署の電話相談などの案内を確かめるか、税理士に相談してください。
暗号資産の取引で困ったときの相談先
金融庁は「暗号資産交換業者は登録が必要です。利用する際は登録を受けた事業者か確認してください。」と呼びかけています。
暗号資産の取引や勧誘で不安なときは、次の窓口に相談できます。
- 暗号資産を含む金融サービスの一般的な相談:金融庁 金融サービス利用者相談室 0570-016811(平日10時〜17時。IP電話からは03-5251-6811)
- 暗号資産の不審な勧誘の相談:消費者ホットライン 188(局番なし)
- 詐欺と思われるトラブルの相談:最寄りの警察本部・警察署
当局が処分や判決で公表した事例と、勧誘で見られる特徴は、次の記事にまとめています。
▶ 仮想通貨の詐欺コイン一覧!当局が公表した事例と特徴、被害額・件数

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