ステーキングとは?報酬の仕組み・バリデータの役割・参加方式を解説

イーサリアムのステーキングとは?バリデータの役割と参加方式を解説 暗号通貨の基礎知識

ステーキングとは?意味を整理する

ステーキングとは、イーサリアムのコンセンサス・プロトコルの参加者であるバリデータを有効化するためにETHをデポジットする行為です(ethereum.org「イーサリアムのステーキング」)。

この仕組みを支える基盤が、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)です。ethereum.orgでは、PoSは、バリデータがネットワークのために価値あるものを預けており、不正な動作があればそれを失い得ることを示す手段だとされています(ethereum.org「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」)。

この記事では、題のとおり、ステーキングの意味、報酬の仕組み、バリデータの役割、参加方式の違いを順に説明します。説明は主にイーサリアムの公式な解説に沿い、ほかのチェーンの例としてカルダノの公式ページも取り上げます。

配線盤に青い光ファイバーのケーブルが何本もつながれている写真

ステーキングの報酬の仕組み

報酬の受け取り方

POINT バリデータを実行することはコミットメントです。バリデータはETHで報酬を受け取ります(ステークした残高が増加します)。

ethereum.orgの説明では、ステーカーは、新しいブロックへトランザクションを正しくまとめ、ほかのバリデータの作業を確認するソフトウェアを動かすことで、報酬を受け取れます(ethereum.org「イーサリアムのステーキング」)。

バリデータへの報酬はETHで支払われ、ステークした残高が増える形になります。バリデータが求められたのに参加しなかった場合は、報酬を受け取れません(ethereum.org「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」)。

報酬から差し引かれるもの

委任型ステーキングでは、ノード運用にかかる月額料金をプロトコルの報酬総額から引いた残りが、通常は報酬となります。また、ethereum.orgによれば、プールのバリデータに報酬を支払うのはプロトコルであり、利用者へ直接支払われるものではありません(ethereum.org「イーサリアムのステーキング」)。

バリデータの役割

バリデータは何をする人か

自分のバリデータを立ち上げるには、32 ETHをデポジット・コントラクトに預け、実行クライアント・コンセンサス・クライアント・バリデータ・クライアントの、互いに独立した3種類のソフトウェアを動かす必要があります(ethereum.org「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」)。

バリデータは、ネットワーク上で伝播された新しいブロックが有効かどうかを確かめ、場合によっては自ら新しいブロックを作って伝播する責任を担います。スロットごとにバリデータが1つランダムに選ばれてブロック・プロポーザーを務め、そのほかのバリデータは、そのブロックを支持する投票(アテステーション)をネットワーク全体へ送ります(ethereum.org「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」)。

不正やオフラインに課されるペナルティ(スラッシング)

イーサリアムでは、ペナルティによって誠実な行動が強制されると、ethereum.orgは説明しています(ethereum.org「イーサリアムのステーキング」)。オフラインになった場合は、報酬を得られないだけでなく、ETHを失うペナルティも受けます。証明可能な不正行為はスラッシングとなり、ネットワークから強制的に排除されます。

スラッシングの対象になる不正は、主に2つの行動が不正と見なされます。1つのスロットで複数のブロックを提案すること(二重提案)と、矛盾するアテステーションを送信することです。ペナルティの重さは状況次第で、1つのバリデータだけがスラッシングを受けた場合はステークの0.1%に満たないこともあり、大規模なスラッシング・イベントではステークの全額にあたる100%が失われることもあるとされています(ethereum.org「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」)。

両手のひらいっぱいに金色のコインをすくい上げている写真

カルダノの場合

カルダノの公式サイトは、ステークプールへの委任では、ADAがウォレットに残ったままで、いつでも使えると説明しています。ロックアップはなく、好きなときにプールを変更できるとも書かれています。再委任が有効になるのは次の次のエポックからです(cardano.org「Stake pool delegation」)。

報酬の仕組みも説明されています。プールが作ったブロックごとに報酬が生まれ、プールの運営者の固定費とマージンが差し引かれた後、委任者にステーク量に応じて分配されます。ブロックごとのスロットリーダーはランダムに選ばれ、選ばれる確率はプールに委任されたステーク量が多いほど高くなります(cardano.org「Stake pool delegation」)。

ステーキングの参加方式の違い

自分で運用する方式と委任する方式

参加方式としてethereum.orgが挙げているのは、自力で運用するホーム・ステーキング、32 ETHをステークしたい場合で、ハードウェアを扱いたくない、または扱うことに不安がある人向けの委任型ステーキング、プールを利用する方式、そして中央集権型取引所のサービスです(ethereum.org「イーサリアムのステーキング」)。

ホーム・ステーキングでは、自身のバリデータに32 ETH以上が要り、保持できるのは最大2048 ETHまでです。委任型については、署名鍵の使用を、悪意をもって動くかもしれない第三者に預けることになる点がリスクとされています(ethereum.org「イーサリアムのステーキング」)。

プール型とリキッドステーキング

ステーキング・プールは、少額のETHしか持たない多くの人が力を合わせ、バリデータの有効化に要る最低32 ETHを集めるための方式です。リキッド・ステーキング・トークン(LST)とは、ステーク済みのETHおよびその獲得報酬に対する権利を示すERC-20トークンです(ethereum.org「リキッド・ステーキングとプール・ステーキング」)。

LSTでは、たとえば、トークンの流通市場価格が裏付けとなるETHの価値を下回る(ディペッグ)可能性や、バグが含まれていたり悪用されたりする可能性のあるコントラクトにETHが保持される点が挙げられています。さらに、LSTを持っていても、プロトコル上の扱いではステーカーに当たらないとされています(ethereum.org「リキッド・ステーキングとプール・ステーキング」)。

方式 特徴(ethereum.orgの説明)
ホーム・ステーキング 自分のバリデータに32 ETH以上が必要。オフラインになるとETHを失うペナルティがある。証明可能な不正行為はスラッシングとなり、ネットワークから強制的に排除される
委任型ステーキング 32 ETHをステークしたい場合で、ハードウェアを扱いたくない、または扱うことに不安がある人向け。署名鍵の使用を他者に委ねることになる。ノード運用の月額料金をプロトコルの報酬総額から引いた残りが、通常は報酬となる
プール・ステーキング 少額のETHの人が協力して32 ETHを確保する
リキッド・ステーキング ステークしたETHと報酬への請求権を表すLSTが発行される

出典:ethereum.org「イーサリアムのステーキング」「リキッド・ステーキングとプール・ステーキング」

取引所のステーキングサービスの位置づけ

中央集権型取引所の多くがステーキングサービスを提供している、とethereum.orgは説明しています。ただし、中央集権型のプロバイダーが大量のETHを集めて多数のバリデータを動かすと、大規模な中央集権型の標的や単一障害点ができてしまい、ネットワークが攻撃やバグに弱くなる可能性があるとされています(ethereum.org「イーサリアムのステーキング」)。





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