仮想通貨とは簡単に言うと「ネット上でやりとりできるお金のような財産的価値」
結論からお伝えします。仮想通貨(暗号資産)とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値のことです。
紙幣や硬貨のような形はありません。スマートフォンやパソコンを使って、送ったり受け取ったりします。
大きな特徴は、国や中央銀行が発行しているお金ではない点です。銀行などの第三者を通さずに、財産的価値をやりとりできる仕組みとして注目を集めてきました。
この記事では、初めての方が始める前に知っておきたいことを、順番にやさしく説明します。扱う内容は次のとおりです。
- 仮想通貨の定義と、暗号資産という呼び方との関係
- ブロックチェーンのおかげで、銀行なしでも取引が成り立つ理由
- 電子マネーや日本円との違い
- ビットコインとアルトコインの種類
- メリットと、価格変動・詐欺・ハッキングなどのリスク
- 税金、買い方、現金化の流れ、国内の規制
▶ 動画で確認:暗号資産の基礎を6分で確認
トレーダーズ証券が、暗号資産とは何か、種類、特徴、使い道、注意点を約6分で順に説明する入門動画です。冒頭の定義の節に置くことで、記事の全体像を映像でも確認できます。
出典:みんなのFX|トレイダーズ証券「【初心者向け】暗号資産の基礎からわかりやすく解説!【ビットコイン】」(YouTube・約6分)
法律上の定義は3つの条件
日本では「資金決済に関する法律」で、暗号資産の性質が定められています。日本銀行の解説では、次の3つの性質をもつものとされています。
- 不特定の者に対して代金の支払いなどに使え、かつ、日本円や米国ドルなどの法定通貨と相互に交換できる
- 電子的に記録され、移転できる
- 法定通貨、または法定通貨建ての資産(プリペイドカードなど)ではない
難しく見えますが、言い換えると次のようになります。「誰とでも使えて円やドルと交換でき、データとして送れる。ただし円やプリペイドカードそのものではない」ということです。
3つ目の条件があるため、電子マネーやプリペイドカードは暗号資産には含まれません。この違いは、後ほど表でも整理します。
代表的なものには、ビットコインやイーサリアムがあります。
「仮想通貨」と「暗号資産」は同じもの
ニュースや記事では「仮想通貨」と「暗号資産」の2つの言葉が出てきて、迷う方も多いでしょう。結論として、この2つは同じものを指しています。
2020年5月1日に施行された改正資金決済法で、法令上の呼び方が「仮想通貨」から「暗号資産」に変わりました。今でも日常では「仮想通貨」と呼ばれることが多く、本質的な違いはありません。
この記事では検索でよく使われる「仮想通貨」を中心に、必要に応じて「暗号資産」とも書きます。取引所の画面や公的な資料では「暗号資産」と書かれていることが多いので、同じ意味だと覚えておくと安心です。
なお、暗号資産を売買したり交換したりする事業は、金融庁・財務局の登録を受けた事業者だけが行えます。この点は後の章で詳しく見ます。
なぜ銀行なしで成り立つ?ブロックチェーンの仕組み
銀行を通さずにお金をやりとりすると聞くと、「間違いや不正は起きないの?」と心配になるのが自然です。
仮想通貨は、ブロックチェーンという技術を使って、その心配に答えを出そうとしています。ここでは専門用語をできるだけ減らして説明します。
キーワードは「みんなで同じ記録を持ち合い、お互いに確認し合う」ことです。この考え方が分かると、全体のイメージがつかみやすくなります。
管理者がいない「分散型」のしくみ
円やドルには、価値を保証する中央銀行や政府があります。一方、ビットコインのような多くの仮想通貨には、そうした中心的な管理者が存在しません。
かわりに、世界中の参加者のコンピュータが同じ取引の記録を共有し、お互いに照合して正しさを確かめています。これが「分散型」と呼ばれる仕組みです。
たとえるなら、クラスの全員が同じ出席簿のコピーを持っているような状態です。誰か1人が出席簿を書き換えても、ほかの全員のコピーと合わないので、すぐにおかしいと分かります。
一部のコンピュータが止まっても、全体の取引は止まりにくいとされています。この点も、分散型の特徴です。
▶ 動画で確認:分散管理としくみを図解で学ぶ
電子マネーとの違いから、分散管理、電子署名、ハッシュ関数、マイニングまでを順に解説する長めの解説動画です。目次の7:03付近に分散管理の説明があるため、管理者がいない仕組みの節に置きます。
出典:しょーてぃ仮想通貨「【中学生でも分かる】ビットコインの仕組み完全解説【ブロックチェーン基礎】」(YouTube・約33分)
取引をブロックでつなぐと改ざんしにくい
取引の記録は、一定期間ぶんをまとめて「ブロック」という単位にします。そして、ひとつ前のブロックの内容を要約した情報を含めながら、時間順に鎖のようにつないでいきます。こうして、ブロックが鎖のようにつながった形で取引が記録されます。
過去のブロックを書き換えると、そのあとにつながるすべてのブロックとの整合性が崩れます。そのため、不正があればすぐに見つかる仕組みになっています。
多くの仮想通貨では、ブロックチェーン上の取引データは公開・共有されます。世界中の参加者が同じ鎖を検証し合うため、特定の企業や機関に頼らなくても、取引の正しさを保ちやすいのです。
ただし、ここで注意したい点があります。ブロックチェーンそのものは改ざんされにくくても、利用者が鍵やパスワードの管理を誤れば、資産を失う可能性があります。次の項目で説明します。
▶ 動画で確認:ブロックチェーンの鎖の仕組み
取引データをブロックにまとめて鎖のようにつなぎ、改ざんや消去を困難にする技術を、中央集権型との比較で説明する動画です。ブロックをつないで改ざんしにくくする節の内容を補えます。
出典:ITを分かりやすく解説「ブロックチェーンとは?ブロックチェーンの仕組みを分かりやすく解説」(YouTube・約10分)
ウォレットと秘密鍵は「口座番号」と「暗証番号」のイメージ
仮想通貨を管理する道具を「ウォレット(財布)」といいます。ただし、現金のように仮想通貨そのものが財布の中に入っているわけではありません。ウォレットは、送受信に必要な「公開鍵」と「秘密鍵」を安全に管理する役割をもっています。
公開鍵から作られる文字列は「アドレス」と呼ばれ、ほかの人から受け取るときに使います。銀行でいえば口座番号のようなものです。
一方、秘密鍵は送金などの署名に使うものです。銀行でいえば暗証番号にあたるため、漏れてしまうと資産を簡単に盗まれるおそれがあります。
ウォレットには、大きく2種類あります。
- カストディアルウォレット:秘密鍵を暗号資産交換業者などの事業者が管理する方式。利用者はIDやパスワードでログインして使います
- ノンカストディアルウォレット:利用者自身が秘密鍵を管理する方式。自由度が高い反面、管理の責任も自分にあります
初心者のうちは、登録事業者が管理してくれる方式から始める人が多いようです。自分で管理する方式は、仕組みを理解してから検討するのが安心でしょう。
電子マネー・日本円との違いを表で比べる

「ネット上のお金なら、電子マネーと同じでは?」と思う方は多いでしょう。実際、どちらも紙や硬貨を使わずに電子的に使える点は共通しています。
しかし、仕組みや性質は大きく異なります。まずは電子マネーと仮想通貨を、表で比べてみましょう。
| 比べる点 | 電子マネー | 暗号資産(仮想通貨) |
|---|---|---|
| 具体例 | 交通系電子マネー、小売系電子マネーなど | ビットコイン、イーサリアムなど |
| 管理する主体 | 企業など(発行主体が価値の裏づけをする) | ビットコインなど多くの場合、なし |
| 価値の変動 | 一定(基本的に円に固定) | 大きく変動する |
| 個人間の送金 | 不可 | 可(インターネット上で授受) |
| 換金 | 原則できない | 法定通貨と相互に交換できる |
電子マネーとの違い
電子マネーは、円などの法定通貨を支払ってチャージして使う決済手段です。必ず発行する会社があり、その会社が価値の裏づけをしています。
そのため、1円のチャージは基本的に1円分として使えます。価値が上がったり下がったりすることは、通常ありません。
これに対して仮想通貨は、必ずしも発行主体や管理者がいません。価値は需要と供給などで増えたり減ったりし、法定通貨と相互に交換できます。
つまり、電子マネーは「円を電子化して使いやすくしたもの」、仮想通貨は「円とは別の、値段が変わる財産的価値」と考えると、違いがつかみやすくなります。法律上も、両者は別のものとして定義されています。
法定通貨(円・ドル)との違い
円やドルのような法定通貨は、国や中央銀行など公的な発行主体の信用に基づいて発行・管理されています。紙幣や硬貨という形のある現物もあります。
仮想通貨の多くは、ブロックチェーン技術によって、公的な発行主体や管理者の裏づけなしに流通します。実体のない、データとしての財産的価値です。
また、日本銀行は、暗号資産が国やその中央銀行が発行する法定通貨ではないことを説明しています。さらに、裏づけとなる資産をもたないことなどから、利用者の需給関係などによって価格が大きく変動しやすい点にも注意を促しています。
「円と同じ感覚で価値が安定している」とは考えないことが、最初の大切な心構えです。
主な種類はビットコインとアルトコイン
仮想通貨には、数えきれないほど多くの種類があります。ただ、大きく分けると考え方はシンプルです。
「ビットコイン」と、それ以外をまとめた「アルトコイン」の2つに分けて覚えれば、全体像をつかみやすくなります。ここでは特徴を紹介するだけで、特定の銘柄をすすめるものではありません。
ビットコイン(BTC)
ビットコインは、2009年に運用が始まった、世界で最初の仮想通貨です。サトシ・ナカモトと名乗る人物が、インターネット上に公開した論文から始まりました。この人物がどんな人なのかは、今も明らかになっていません。
中央の管理者をもたない分散型の仕組みで運営されています。発行できる上限は2,100万枚と決められており、供給量に限りがあるように設計されています。
仮想通貨の代表格として知られ、主に送金や価値の保存の手段として使われることから、「デジタルゴールド」と呼ばれることもあります。
そのため、基準となる存在として扱われることが多いのです。
イーサリアム・XRP・ステーブルコインなどのアルトコイン
アルトコインとは、「Alternative Coin(代替の暗号資産)」を略した言葉で、ビットコイン以外の暗号資産の総称です。性質はさまざまなので、代表的な例を表にまとめます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| イーサリアム(ETH) | あらかじめ決めた条件で契約を自動的に実行する「スマートコントラクト」を扱える。NFTや分散型金融などのサービスの土台になっている |
| XRP(エックスアールピー) | 国際送金の高速化や低コスト化を目指す通貨として位置づけられている |
| ステーブルコイン(USDCなど) | 価格が法定通貨と連動するよう設計された、価格安定型の暗号資産。たとえばUSDCは1USDCが1米ドルの価値を維持するよう設計されている |
| ミームコイン(ドージコインなど) | インターネット上のジョークなどから生まれ、コミュニティの支持を背景に広がった |
ステーブルコインは、値動きを抑える工夫がされている点が特徴です。ただし、仕組みや裏づけの内容は商品ごとに違うため、中身を確認することが大切です。
種類が多いぶん、性質や目的はまったく異なります。「名前を聞いたことがあるから」という理由だけで選ばず、何のためのものなのかを調べてから判断しましょう。
▶ 動画で確認:ステーブルコインの発行元の映像
ステーブルコイン発行元であるTether社の公式チャンネルによる、USD₮を紹介する約1分の映像です。節12に挙げたUSDCとは別銘柄ですが、同じ価格連動型の例として置きます。
出典:Tether「USD₮ – The Digital Dollar for All」(YouTube・約1分)
メリット:送金・少額・24時間

ここまでの内容を踏まえて、仮想通貨のメリットを整理します。始める価値があるかどうかを考える材料にしてください。代表的なものは、送金・少額・24時間の3つです。
1つ目は、銀行を介さずにインターネット上で個人同士が直接送金できる点です。特に海外への送金では、銀行より手数料を抑えられたり、着金が早かったりする場合があると紹介されています。実際の手数料や時間は、銘柄やネットワークの混み具合によって変わります。
2つ目は、少額から始められる点です。ビットコイン1枚は高額でも、取引所を通じて、その一部だけを買えます。取引所によっては、数百円といった少額から購入できるところもあります。
いきなり大きな金額を入れるのが不安な方でも、少額で値動きや仕組みに慣れていけます。
3つ目は、24時間365日取引できる点です。株式などと違って取引時間が決まっておらず、平日に忙しい方でも夜間や週末のすきま時間に取引できます。
ただし、世界中の人がいつでも取引しているため、自分が見ていない間にも価格は動きます。便利さと値動きの大きさは、セットで考える必要があります。
知っておきたいリスクと身を守る方法
メリットがある一方で、始める前に必ず理解しておきたいリスクもあります。日本銀行も、価格の大きな変動と、詐欺などの事例が数多く報告されている点について、注意を呼びかけています。
リスクを知ることは、怖がるためではありません。備え方を知って、落ち着いて判断するための準備です。ここでは3つに分けて説明します。
価格の乱高下が起きる理由
仮想通貨の価格は、短い期間で大きく動くことがあります。世界的なニュースや投資家の心理の変化によって、急に下がる場合もあります。
主な理由として、次のような点が挙げられています。
- 株式のように企業の業績などから価値を測る一般的な評価の物差しがなく、需要と供給や市場の心理に左右されやすい
- 株式市場にある値幅制限のような、急な変動を抑える仕組みが一般にない
- 短期の値動きを狙う資金も集まり、ニュースや規制の動きに敏感に反応しやすい
- 24時間365日取引されている
対策としてよく挙げられるのは、生活に支障のない余裕資金の範囲で行うことです。購入の時期を分けて、一度にまとめて買わないという工夫もあります。
この記事は、将来の値上がりや下がりを予想するものではありません。「いくら減っても生活が困らない金額」を先に決めておくと、気持ちに余裕をもって向き合えます。
詐欺・ハッキング・送金ミスの注意点
仮想通貨はインターネット上で管理されるため、セキュリティ面の注意が欠かせません。主なリスクは次のとおりです。
- 詐欺:SNSやマッチングアプリをきっかけにした投資の勧誘、偽サイトや偽アプリ、フィッシングなど。金融庁・消費者庁・警察庁も繰り返し注意を呼びかけています
- ハッキング:取引所や個人の端末が攻撃され、資産が流出するおそれがあります
- 鍵・パスワードの紛失や漏えい:秘密鍵をなくしたり盗まれたりすると、資産を失うことになります
- 送金ミス:宛先を間違えて送ると、基本的に取り消しができません
送金先のアドレスは、英数字が長く並んだ文字列です。一文字でも違うと正しく届かず、資産を失う恐れがあります。コピーして貼り付けたあと、もう一度見直す習慣をつけましょう。
身を守るための基本は、次のとおりです。
- 仕組みやルールを理解してから始める
- 少額からスタートする
- IDやパスワードは推測されにくいものにし、使い回さない
- 二段階認証を設定する
- 公共Wi-Fiでの取引を避け、セキュリティ対策ソフトも活用する
- 「必ずもうかる」といった勧誘や、知らない人からの誘いには近づかない
登録を受けた国内の交換業者では、利用者の資産を会社の資産と分けて管理する「分別管理」や、インターネットから切り離して保管する方法などの対策が行われていると紹介されています。ただし、利用者自身の対策も同じくらい大切です。
規制が変わる可能性
仮想通貨は比較的新しい分野のため、国や地域のルールが変わる可能性があります。税金の扱いや、取引に関する決まりが見直されることもあります。
海外では、新しい暗号資産の発行を禁止した国の例があり、それをきっかけに価格が大きく下がったと紹介されています。国内でも、制度は少しずつ整えられてきました。
だからこそ、始めたあとも、金融庁や国税庁などの公的な情報を時々確認することが大切です。古い情報のままにせず、最新のルールを確かめる習慣をもちましょう。
税金と確定申告の基本
仮想通貨で利益が出たときは、税金のことも知っておく必要があります。「知らなかった」では済まないこともあるため、始める前に基本だけでも押さえておきましょう。
仮想通貨の売却で生じた利益は、原則として「雑所得」に区分されると紹介されています。会社員など給与をもらっている方の場合、年間の雑所得が20万円を超えると、確定申告が必要になるケースがあるとされています。
この申告は、会社が行う年末調整とは別に、自分で税務署へ行うものです。申告が必要なのに手続きをしないと、あとで困ることがありますので注意しましょう。
また、暗号資産の売買にかかる消費税は、2017年7月から非課税とされています。
ただし、実際に申告が必要かどうか、どう計算するかは、収入の状況や取引の内容によって変わります。この記事では税額の計算方法には触れません。個別の判断は、国税庁のウェブサイトや税務署、税理士などの専門家に確認してください。
取引の記録(いつ・何を・いくらで買い、売ったか)は、あとから必要になります。取引所の履歴をこまめに保存しておくと、申告のときに慌てずに済みます。
買い方・始め方と取引所の選び方

仮想通貨は、ふつう「取引所」や「販売所」と呼ばれる事業者を通じて買います。これらは暗号資産交換業者と呼ばれ、日本では金融庁・財務局の登録を受けた事業者だけが行えます。
この記事では特定の会社をすすめたり、手数料を比べたりはしません。選ぶときの考え方と、始める順番を説明します。
登録業者かどうかを確認する
最初に確認したいのは、その事業者が金融庁・財務局の登録を受けているかどうかです。登録を受けた事業者かどうかは、金融庁の情報などで確認しましょう。
あわせて、次の点も見ておくと安心です。
- 過去に行政からの警告や処分を受けていないか
- 二段階認証など、利用者が使えるセキュリティ機能があるか
- 手数料やスプレッド(買う価格と売る価格の差)の仕組みが、分かりやすく説明されているか
- 日本円の出金にかかる時間や手数料が、事前に確認できるか
- 画面や説明が、自分にとって分かりやすいか
注意したいのが、SNSなどで「登録不要」「必ずもうかる」とすすめてくる、知らない相手や業者です。未登録の業者や、個人から直接誘われる取引には近づかないでください。
少額から始める手順
一般的な流れは、次のとおりです。細かな画面は事業者によって異なりますが、全体像は共通しています。
- 登録業者かどうかを確認して、取引所を選ぶ
- メールアドレスなどで口座を開設し、本人確認の手続きをする
- 二段階認証を設定し、パスワードを安全に管理する
- 銀行口座から日本円を入金する
- 少額で、買いたい仮想通貨の注文を出す
- 購入後は、取引の履歴を保存しておく
注文には、大きく2つの方式があります。販売所では、提示された価格を確認して買います。取引所(板取引)では、ほかの利用者と売買の条件を合わせて取引し、価格を指定する方法と、その時点の市場価格で買う方法を選べます。
初心者のうちは、操作が分かりやすい方式から始め、慣れてきたら仕組みの違いも調べてみるとよいでしょう。注文が成立したあとは原則として取り消せないため、金額と数量を確認してから注文する習慣をつけましょう。
最初の購入は、「なくなっても生活に影響しない金額」にとどめるのが無難です。値動きや操作に慣れてから、少しずつ判断していきましょう。
買った後の現金化(日本円に戻す)の流れ
仮想通貨を買ったあと、日本円に戻したくなる場面も出てきます。流れを先に知っておくと安心です。
もっとも一般的なのは、取引所で仮想通貨を売却して日本円にする方法です。次の3ステップで進みます。
- 仮想通貨を取引所の口座に置く(外部のウォレットに保管している場合は、取引所が指定する入金用アドレスへ送る)
- 取引画面で売却の注文を出して、日本円にする
- 日本円の残高を、登録しておいた銀行口座へ出金申請する
外部ウォレットから送るときは、アドレスの入力ミスに特に注意してください。売却後の日本円は、取引所の口座にはすぐ反映されるのが一般的です。
そこから銀行口座への出金は、すぐに反映される場合もあれば、1〜2営業日ほどかかる場合もあります。取引所や銀行、時間帯によって異なるため、急いでお金が必要なときは、事前に確認しておきましょう。
手数料にも注意が必要です。取引手数料のほか、販売所ではスプレッド(買う価格と売る価格の差)が実質的なコストになります。日本円の出金時には、数百円程度の手数料がかかる場合もあります。金額は事業者ごとに違うので、公式サイトで確認してください。
このほか、仮想通貨ATMで現金に換える方法や、仮想通貨で支払えるカード・サービスを使う方法もあります。ただし、国内では設置が限られていたり、金融庁に登録されていない海外事業者が提供していたりする場合があります。利用する前に、条件や運営者をよく確認しましょう。
また、売却して利益が出たときは、前の章で説明した税金の対象になる場合があります。現金化するタイミングは、あらかじめ自分なりの基準を決めておくと、値動きに振り回されにくくなります。
国内の規制・法整備はどうなっている?
「安全に使える制度なのか」は、気になるところでしょう。日本では、仮想通貨の広がりに合わせて、法制度の整備が進められてきました。
中心となるのが、改正資金決済法です。仮想通貨と法定通貨などを交換する事業者は、金融庁・財務局の登録を受けなければ業務を行えないと定められました。
2020年5月1日に施行された改正では、法令上の呼称が「仮想通貨」から「暗号資産」に変更されています。
さらに、2017年7月からは、暗号資産の売買にかかる消費税が非課税とされています。これは消費税法で定められたものです。
ただし、登録業者を利用することは、価格が下がらないことや、損をしないことを保証するものではありません。登録は事業者に対する制度であり、価格の動きは別の話です。
制度は今後も見直されることがあります。最新の情報は、金融庁のウェブサイトや、金融庁・消費者庁・警察庁による「暗号資産に関するトラブルにご注意ください!」などで確認できます。
始める前のチェックリスト
最後に、ここまでの内容をチェックリストにまとめます。すべてに「はい」と答えられるか、始める前に確認してみてください。
- 仮想通貨は「ネット上でやりとりできる財産的価値」で、円や電子マネーとは別のものだと理解した
- 国や中央銀行が価値を保証するものではないと分かっている
- 価格が大きく動くことがあり、損をする可能性もあると理解している
- なくなっても生活に困らない余裕資金の範囲で、少額から始める
- 金融庁・財務局に登録された業者かどうかを確認した
- パスワードを使い回さず、二段階認証を設定する
- 秘密鍵やパスワードは、人に教えずに安全に管理する
- 「必ずもうかる」といった誘いや、知らない人からの投資話には応じない
- 送金するときは、宛先アドレスを必ず見直す
- 取引の記録を残し、利益が出たときの税金や確定申告について調べておく
- 日本円に戻すときの流れや、出金にかかる時間・手数料を確認した
一つでも不安が残るなら、焦って始める必要はありません。公的機関の情報を読み、疑問を整理してからでも遅くないでしょう。
仮想通貨は便利な面がある一方で、注意すべき点も多い分野です。この記事をきっかけに、基本を理解したうえで、ご自身のペースで判断してください。
最後までお読み頂いてありがとうございました。
